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【任天堂スイッチ2に熱視線】減収減益でも揺るがぬ企業力と市場の期待

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目次

スイッチ販売減で減収減益、それでも高まる次世代機への期待

任天堂の2025年3月期決算は、スイッチの販売減速により減収減益が確定しました。それでも次世代機「スイッチ2」への期待が、市場のムードをしっかりと支えています。スイッチ2は、十分な在庫を確保し「スタートダッシュ」を狙う戦略で、人気タイトルの投入も示唆されています。仕様も大きく変わらないため安心感が広がっており、株価も発表以降、好調を維持し投資家の関心を集め続けています。

財務構造に潜む変化と優良企業としての自省力

財務面でも、任天堂が「超優良企業」であることに変わりはありません。企業力総合評価の高位安定がその証です。ただし、2022年頃から兆しは現れています。増収(青棒)のトレンドが減収トレンドに転じ、増員(青棒)の中で1人あたり売上高(オレンジ)の減少が見られます。少し厳しい見方ではありますが、優良企業ほどこうした変化に敏感で、自社を冷静に見ているのかもしれません。

250714任天堂企業力総合評価・営業生産効率財務指標数値
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山本 純子
山本 純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
山本 純子
山本 純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
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