深海資源開発に挑む古河機械金属の技術と提携
古河機械金属が、地上鉱山技術を応用し深海のレアアース採掘に挑む。JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)と連携し試作機を開発、関連特許の出願件数は国内でもトップクラスに達する。加えて、米政権による対中依存脱却の動きも、同社にとっては追い風となりつつある。
日本の排他的経済水域(EEZ)内における資源発見や、大平洋金属による事業化計画など、商用化を巡る機運は着実に高まっている。
研究開発と財務効率のバランス
財務の視点から見ると、研究開発費研究開発費は、新製品・新技術の開発や既存技術の高度化のために投じられる費用で、将来の成長余力を高める投資として位置づけられます。(赤棒)の増加は売上高総利益率売上高総利益率は、売上総利益(売上高-売上原価)を売上高で割って算出する指標で、本業による付加価値の高さやビジネスモデルの収益性を示します。(オレンジ)を押し上げる一方、販売費及び一般管理費比率販売費及び一般管理費比率は、広告宣伝費や人件費、本社管理費などの販管費が売上高に対してどの程度かを示す指標で、高止まりすると収益性を圧迫します。(黄)を悪化させる傾向がある。逆に、研究開発を抑制すれば粗利率は下がるものの、販管費比率は抑制されやすい。
古河機械金属は、研究開発費を一定程度抑えることで、粗利率がやや低下する傾向にあるものの、販管費比率を効率的に抑え込み、結果として売上高営業利益率売上高営業利益率は、営業利益を売上高で割った指標で、本業の収益力を測る代表的な利益率です。(水色)を堅調に維持してきた。
安定した財務体質と企業力の改善
未来への投資に対しては慎重な姿勢を保ちながらも、安定的なオペレーションを通じて企業の財務体質は着実に改善。企業力総合評価企業力総合評価は、収益性・安全性・成長性など複数の財務指標を総合的にスコア化した指標で、企業の総合的な競争力・体力を示します。も上昇トレンドを描いており、「攻め」に転じる準備が着々と進んでいる。
世界的資源競争と古河機械金属の可能性
さらに、トランプ政権の再登場による対中国政策が、深海資源開発の国策化を加速させる可能性もある。世界的な資源獲得競争が激化する中で、古河機械金属の次なる一手に、今、大きな注目が集まっている。
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