日経ニュースで話題の企業を財務分析

富士通と理研が挑む、2030年度への壮大なマイルストーン

Facebook
X
Email
Print
目次

世界最高性能の量子コンピューターに挑む富士通と理研

富士通と理研が挑む、2030年度への壮大なマイルストーン―― それは「世界最高性能の超電導量子コンピューター」開発という、まさに日本の未来技術の象徴です。冷却技術と配線設計を大胆に革新し、誤差を極限まで削減。250論理量子ビットを実装するこの野心的なマシンは、量子覇権をめぐる激流の中で、日本が示す一筋の光となるでしょう。

STARアーキテクチャと経済安全保障の取り組み

さらに、大阪大学とともに開発する独自技術「STARアーキテクチャ」によって、従来のスーパーコンピューターでは5年かかる演算を、わずか10時間で完了。冷凍機の国産化も視野に入れ、経済安全保障への備えも怠りません。

生産性改善と売上高の効率的向上

こうしたテクノロジーへの挑戦は、企業の姿勢にも如実に表れています。営業効率「儲かるか」を示す統合指標。
詳しくはこちら
・生産性といった最前線の数値は、毎期ごとに地道な調整が続けられ、改善のトレンドを刻み続けています。注目すべきは、従業員数を抑えながらも、1人あたり売上高売上高÷総従業員数÷1000(単位:千円)
詳しくはこちら
を着実に引き上げるという「品質と効率」の両立。まさに、テック企業・富士通の真骨頂といえるでしょう。

250801富士通生産効率財務指標数値
250801富士通生産効率財務指標数値

10年間で進んだ財務の健全化

財務体質においても、この10年、BSバランスの推移は一貫して健全化。

250801富士通BSバランス
250801富士通BSバランス

目立たずとも、着実に、そしてひたむきに――未来のために“今”を磨き続ける姿に、静かな感動すら覚えます。

未来を見据える富士通の技術と経営力

日本の叡智と矜持をかけた富士通の挑戦。次なるステージへの飛躍に、私たちの期待はますます高まります。

Facebook
X
Email
Print
Picture of 山本 純子
山本 純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
Picture of 山本 純子
山本 純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
関連記事

コロワイドの「再生請負人」としての手腕が、ここまで鮮やかに表れるとは──。 コロワイド傘下で大戸屋が見せたV字回復 大戸屋HDは、2020年11月にコロワイド傘下に入って以降、業績のV字回復を遂げています。「大戸屋ごはん […]

大王製紙が、トイレットペーパーの“長尺化”で攻勢をかけている。 買いだめ需要が起点だった長尺品市場は、いまや「タイパ」志向の若年層にも支持され、2024年には744億円市場にまで成長。2017年比で約4.2倍だ。背景には […]

伊藤忠商事の セブン銀行への出資は、「単なるATMの置き換え」にはとどまりません。 それは、流通と金融が交差する未来を見据えた、本格的な戦略投資です。 ATM刷新による金融インフラ統合戦略 同社は、傘下のファミリーマート […]

M&Aを次々に打ち出し、クラウド会計の覇者として注目を集める freee。 時価総額は前年比+754億円(+46%)と急伸しましたが、財務の視点から見れば、まったく異なる景色が浮かび上がります。 営業効率は改善せ […]